Aug 28, 2016

『色を漕ぐ―Swimming in Colors―』山本聖子



『色を漕ぐ―Swimming in Colors―』山本聖子
会場 GalleryPARC (京都、三条御幸町)
会期 2016年9月5日(土)~9月25日(日)
時間 11:00~19:00まで (月曜休み/金曜日のみ20:00まで)
Gallery PARC http://www.galleryparc.com

山本聖子 www.seikoyamamoto.net


“世界”と“自分”を確認する

私が幼いころから育った場所は、“千里ニュータウン”という1970年の大阪万博に伴って開発されたニュータウンだ。それは当時、“未来都市の象徴”であっただろうし、そして現在も、高層マンションが立ち並び、生活に必要とされるものは全て完備された、何不自由ない便利で美しい、落ち着いた街である。
しかし私はこういった街の様相に違和感があった。人々は与えられた場所で与えられた方法で同じように生活し、“プライベート”や“個性”は極端に守られ、人間が生きているなら生じるであろう“手ざわり”のようなもの、“におい”のようなものが全く感じられないのである。目の前の世界は、どこを取っても無機質で、均質化しているように思われた。
私はそんな風景の中で、五感が麻痺し、自分自身の存在が稀薄になっていくかのように感じられた。

私の制作の根底には、このような身体への焦燥感がある。つまり、作る過程で素材のディティールを知ることや、単純作業で身体を繰り返し使うことは、私にとって“世界”と“自分”の存在を確認するための、最初の方法であったと言える。

そして今は、自分の身体そのものを世界の中に放り込み、そこで生きてみることによって、やはり同じように“世界”と“自分”を確認している。
そこから生まれる表現は、呼吸のように、あるいは風景画ように、目に映る世界や他者を反映しているに過ぎない。しかし「私にはこう見える」と晒していくことが、私を生んだ社会に対する問いになると信じている。

2014年12月01日(www.seikoyamamoto.net より)

post by ry.t

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