Feb 18, 2019

はじまりのかたち +素描+

 素描は、美術を学ぶ学生の最初のハードルであり、また様々なフィールドで活躍する作家たちが制作をする際に、多かれ少なかれはじめに取り組むステップです。このような、"素描こそは造形活動の第一歩"という考え方からMOU尾道市立大学美術館では二年に一度、学生の様々な素描作品を展示する「素描展 はじまりのかたち」を開催してきました。
 この春は特別編として、造形作家やデザイナーとして活躍する教員の素描を、学生の作品とあわせて広く展示します。また、石膏デッサンや写生デッサン、下図といった従来の素描展での内容に加え、準備段階のスケッチや構想メモ、アイデアノートや写真によるメモ、作業途中の修正指示をも幅広く「素描」としてとらえなおして展示します。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが、膨大な手稿のなかのデッサンから、絵画を完成させるよりもむしろ自然科学的な発見や発明を生み出したように、「素描」の役割は、芸術家の訓練や作品の下準備にとどまるわけではありません。ポール・ヴァレリーがドガの、あるいはまたロラン・バルトがサイ・トゥオンブリの素描から哲学的エッセイを展開するように、「素描」は、言葉だけでは到達できない次元へと思考を媒介することもあります。私たちが世界を前にして考え、コミュニケーションをとり、行動する過程で「手」で「かたち」をかたどることは思っている以上に重要性を持つのではないでしょうか。造形面だけでなく、認知や思考における「素描」の機能を、あらためて視覚的に振り返るという新たな試みをぜひご高覧ください。


2019年3月2日(土)-  5月6日(月・祝)
水・木曜日休館/祝日の場合、開館
10:00 - 18:00


MOU 尾道市立大学美術館 / Museum of Onomichi City University
広島県尾道市久保 3-4-11



Feb 8, 2019

「ノイズの絵画2」 明石雄 個展

ノイズの絵画2

アンチイリュージョン、シャープネス、≒彫刻。



私の絵を見てくれる人に私が声を大にして言いたいのは「絵画の表面にはノイズがある」ということだ。

その事を最初に思ったのはもうずっと前のことで、私が絵を描き、眺め、描き変え、それも消して、美術館や街のギャラリーで他人の絵を見たりしていた学生時代だったが、その思いは今なお強く私の中で沸き上がって来るのである。

「絵画の表面にはノイズがある」は私の芸術表現における初期衝動のようなものとなり、また今でも持ち続けている私の表現のテーマなのだが、これまでは絵画論の観点からはあまり詳しく説明できてこなかった様に思う。今回の展覧会を通じて、私の絵画論を少し詳しく説明してみたい。


まずは、絵画とはイリュージョン(幻影)であるという見方がある。具象絵画ならば人物、静物、風景などのモチーフは絵画の中にイリュージョンとして描かれる。また抽象絵画であっても画面に空間や何かしらの形や色の部分を見つけてはそれを脳内で認識してそれらを手前と奥などの関係をつけて把握する。それもまたイリュージョンである。

描かれたものは画家という職人の技術でそこに浮かび上がらせたイリュージョンである。

ある日絵を見ていた時、私は、絵にはそれらイリュージョンとしての絵画とは違う見方があると気がついたのだ。

私は私の目でしっかりと絵を見ながら脳がイリュージョンのシグナルを発動させない。

そのように見ようとした時、はっきりと(ぼんやりとではなく)絵画はノイズなのだと思った。いろいろな色の顔料の色の粒と粒が混じり合ってできたチカチカ、ゴツゴツ、ドロドロとした岩肌のようだと思った。或は砂漠の中で砂嵐に入ってしまったようだと思った。

すべての絵画の表面にはノイズがある。


アンチイリュージョン(≒彫刻)、シャープネス(ノットベーグ)、ノイズの絵画。

これらは私の作品制作におけるキーワードである。

明石 雄


2019年2月20日(水)〜28日(木)

鴨江アートセンター 205号室、2階ロビー 9:00-21:30
木下惠介記念館 2階ギャラリー 9:00~17:00

主催 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ)

http://www.kamoeartcenter.org/events/yuakashi_2019/


明石 雄 Yu Akashi (1983年静岡県掛川市生まれ)

Jan 25, 2019

髙柳恵里 「性能、他」


会期:2019年1月26日(土)ー2月16日(土) 12:00-19:00 (土曜日 -17:00)
   日・月・祝日休廊 
会場:SAI GALLERY
   550-0002 大阪市西区江戸堀1-8-24若狭ビル4F
Tel. 06-6225-4115
オープニングパーティー:1月26日(土) 18:00〜

http://saigallery.com

Jan 14, 2019

目黒区美術館展 コレクションの〈現在(いま)〉- 絵画・彫刻・版画

 現代彫刻の青木野枝、多和圭三、鉛筆による細密絵画の篠田教夫、寺崎百合子、版画の井田照一、写真の山中信夫の作品ほかを紹介します。

2019年2月16日(土)-  3月24日(日)
月曜日休館
10:00 - 18:00/入館は17:30まで


目黒区美術館 / Meguro Museum of Art, Tokyo
東京都目黒区目黒 2-4-36


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Jan 10, 2019

幸野楳嶺が伝えたこと

 このたび笠岡市立竹喬美術館では、江戸から明治へ、近世から近代へという時代の変革期を生き、優れた作品を制作するとともに、数多くの英俊を育てた幸野楳嶺の展覧会を開催します。
 幸野楳嶺(1844-1895)は、弘化元年、京都に生まれ、嘉永5年(1852)に円山派の中島来章に学んだ後、明治4年(1871)からは、来章の許しを得て四条派の塩川文麟に学びました。
楳嶺の作品は、師の来章や文麟より継承した伝統的な円山四条派の画風とともに、謹直な性格を反映した写生へのこだわりを感じさせます。その写生重視の制作姿勢は、師から弟子へとさらに継承されることになりました。教育者としても大きな役割を果たした楳嶺には、菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳、都路華香という「楳嶺四天王」と呼ばれる高弟がいましたが、いずれも京都画壇を牽引した、近代日本絵画史において重要な画家たちです。
 本展覧会では、楳嶺の師文麟をはじめ、楳嶺四天王や楳嶺周辺の画家の作品をあわせて、楳嶺作品を中心とした約80点の作品から、楳嶺が師から弟子へと伝えた四条派の技法や精神性に迫ります。

2018年12月21日(金)-  2019年2月3日(日)
月曜日休館/祝日の場合は開館、翌火曜日休館
9:30 - 17:00/入館は16:30まで

笠岡市立竹喬美術館 / Chikkyo Art Museum
岡山県笠岡市六番町 1-17

https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/


Jan 8, 2019

現代アートの宝箱 OPAM利岡コレクション

 関西を中心に現代美術の名コレクターとして知られた利岡誠夫さん(1926-2018)。製薬会社に研究職として勤務しながら、全国各地のギャラリーを巡り、およそ30年をかけて現代美術や民俗資料を集めました。それらは、アートに対する純粋な眼差しとともに築き上げられた「現代アートの宝箱」。そのフタを開けてみると、抽象、ポップ、ミニマリズム、コンセプチュアルと、実にヴァリエーション豊かです。作品は自宅のお茶の間で飾られ、暮らしのなかで愛でられ楽しまれてきました。
 2013年、コレクションは大分県に寄贈されました。当館では、来館者の皆さまに親密感をもってご鑑賞いただけるよう、開館以来2階の情報コーナーで年に数回展示替えをしながらご紹介してきました。本展では、利岡コレクションの全貌を紹介し、時代やジャンルを超えた幅広い視点からご覧いただくとともに、個々の作品が奏でるハーモニーをお楽しみいただきます。


2018年12月8日(土)-  2019年1月20日(日)
会期中無休
10:00 - 19:00

大分県立美術館 / Oita Prefectural Art Museum
大分県大分市寿町 2-1




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