2nd exhibition AGAIN-ST 「首像」―自問するメディアとしての「彫刻」

会期:2013年3月11日(月) - 19日(火)10:00 - 18:00 日曜休館
会場:日本大学藝術学部江古田校舎 アートギャラリー/A&Dギャラリー/ChikaEcoda

TALK LIVE
会場:日本大学藝術学部江古田校舎 アートギャラリー
日時:3月16日(土)18:00~

出品作家:仙谷朋子、中野浩二、冨井大裕、深井聡一郎、藤原彩人、保井智貴

テキスト:土方浦歌、石崎尚

展覧会主旨:
「首像」は彫刻を志し、学ぶ者の間では「首」と呼ばれることが多い。この呼び名は普通の社会に照らし合わ せて考えるとちょっとぎょっとする用語である。にも関わらず、全国的に彫刻に関わる者の間でこの呼び名が 通用するのは、「首」を作るということが、彫刻制作をはじめるに際して、最初に通過しなければならない「儀 礼」であると同時に、恐らく彫刻家が最初に見る「自身の彫刻」であるからだろう。何故、首が(彫刻家にと って)最初のモチーフとなるかは、一番手に入りやすく(友人とか恋人とか)場所もとらない(細身の作業台 とモデル用の椅子があれば大丈夫)という現実的な理由もあるだろうが、歴史的には明治期の東京美術学校に おいて日本初の彫塑科が創設された時期にさかのぼって考えなければならない。が、しかし、その辺の事情は 研究家諸子に任せよう。今回の AGAIN-ST において我々が行わなければならないことは、現在も日本の美術 系大学や予備校で作られ、六本木や上野の美術館で発表され続けている「首」が果たして、2013 年のこの現 在に、どの様な意味を発することができるのか、もしくはどの様な意味も発することができないのかについて、 作品を通じて積極的に議論してみることだ。 正直に言えば、現状では旧態依然の「習慣」と化してしまっている「首像という儀礼」に、これからの彫刻を 考える上での「基本行為」として再度、新鮮な眼差しを向けてみたいと思う。基本に帰ることは、自身の過去、 文脈をくまなくさらけ出した上で、再度、自信を問い質すことである。そこにはつまらない理屈や言い訳は必要ない。 正直な心情と誠実な態度のみが要求される。彫刻という出自のあやふやな筋肉男に立ち向かおうという AGAIN-ST にとって「首」は避けては通れない強敵のひとつである。 (文責:冨井大裕)

AGAIN-ST MEETS MARCEL GIMOND
マルセル・ジモンは1894年フランス生まれ、前衛運動が活況を呈したパリの美術界のなかで、あくまでもフランスの伝統的な彫刻観によりながらも、新しい表現を目指した「独立派」と呼ばれる彫刻家の一人です。日本のみならずフランス本国でも忘れられた存在となっているマルセル・ジモンが、死後50年を経た現在、アートシーンの目まぐるしい変遷のなかで、孤高の彫刻家として、その頭像は静かな存在感を発しています。日本大学はジモンの首像作品を6点所蔵しており、2012年には武蔵野美術大学にて作品展示が行われ、関連企画として共同研究「マルセル・ジモンの研究」成果発表が行われました。(武蔵野美術大学美術館ホームページ紹介分より抜粋、加筆)

Guest

仙谷朋子/SENGOKU Tomoko
1975年東京都生まれ。2000年東京藝術大学大学院美術研究科修了。現在、東海大学教養学部芸術学科美術学課程講師。主な個展「マドレーヌと紅茶ーあふれだす時間ー」(2012)、「contact#3 -dessin del’ air」(2011) いずれも nap gallery。

Guest
中野浩二/NAKANO Kouji
1977年岩手県生まれ。2000年東京造形大学彫刻科卒業。主な個展に「現れた骨格」(ギャラリーKINGYO/2010)「NAKANO KOJI SCULPTURE」(Gallery FuTaBa/Roid works Gallery 2011)、主なグループ展に「りったいぶつぶつ展」(Bunkamura ギャラリー)他多数。

AGAIN-ST
冨井大裕/TOMII Motohiro
1973年新潟生まれ。1999年武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了。現在、日本大学芸術学部美術学科助教。近年の主な展覧会に「MOTアニュアル2011 Nearest Faraway」(東京都現代美術館/東京2011)、「横浜トリエンナーレ 2011 OUR MAGIC HOUR」(横浜美術館・日本郵船海岸通倉庫/横浜 2011)、「水と土の芸術祭2012」(新潟市/新潟)。

AGAIN-ST
深井聡一郎/FUKAI Soichiro
1973年東京生まれ。1999年武蔵野美術大学修士課程造形研究科修了。2002-2003年文化庁在外派遣研修員として英国に滞在。現在、東北芸術工科大学芸術学部美術科工芸コース講師。主な個展:(中京大学Cスクエア / 愛知 2011)、(INAX ライブミュージアム / 愛知 2007)。 主なグループ展:「DOMANI・明日展 2010」(国立新美術館 / 東京 2010)など。

AGAIN-ST
藤原彩人/FUJIWARA Ayato
1975年栃木生まれ。2003年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2007-2008年文化庁在外派遣研究員として英国ロンドンに滞在。現在、同大学美術学部彫刻科非常勤講師。主な個展:「心ここにあらず」 (3331Gallery / 東京 2011)、「藤原彩人彫刻展」(gallery21yo-j / 東京 2011)他多数。主なグループ展:「DOMANI・明日展 2009」(国立新美術館 / 東京 2009)など国内外でも多数。

AGAIN-ST
保井智貴/YASUI Tomotaka
1974年ベルギー生まれ。2001年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2005年第 34 回中 原悌二郎賞優秀賞受賞。アート イン レジデンス「 JCVA/ エルサレム 2006)。現在、東京造形大学美術学科彫刻専攻領域准教授。主な個展:「Tranquil Reflection」(メグミオギタギャラリー / 東京 2011)、「保井智貴展」( 中原悌次郎記念旭川市彫刻美術館/旭川2006)。 主なグループ展:「色めく彫刻-よみがえる美意識」(群馬県立館林美術館「メグロアドレス-都会に生きる作家」(目黒区美術館/2012)、他。

Guest Text
土方浦歌/HIJIKATA Uraka
1977年三重県四日市市生まれ。2002年東京大学美術史学修士課程修了。2003年よりヴァンジ彫刻庭園美術館学芸員。2007年イタリア政府給費留学生。主な担当展覧会に「棚田康司」展、「アイラン・カン」展、「戸谷成雄」展。現在東京都世田谷区在住。

AGAIN-ST Text
石崎尚/ISHIZAKI Takashi
1977年東京都三鷹市出身。2002年多摩美術大学大学院修了。世田谷美術館、目黒区美術館を経て、2012 年より愛知県美術館学芸員。主な展覧会に「メメント調布」主な論考に。橋本平八の台座と彫刻」(『REAR』25号、リア制作室、2011年)など。現在三重県四日市市在住。

AGAIN-ST Design
小山麻子/KOYAMA Asako

日本大学藝術学部
〒176-8525 東京都練馬区旭丘2-42-1
お問い合わせ先
TEL/03-5995-8509(美術学科彫刻研究室)
MAIL/tomii.motohiro@nihon-u.ac.jp

協力:日本大学芸術学部美術学科、東京造形大学CS-Lab、ロイドワークスギャラリー、nap gallery

企画:AGAIN-ST


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