幸野楳嶺が伝えたこと

 このたび笠岡市立竹喬美術館では、江戸から明治へ、近世から近代へという時代の変革期を生き、優れた作品を制作するとともに、数多くの英俊を育てた幸野楳嶺の展覧会を開催します。
 幸野楳嶺(1844-1895)は、弘化元年、京都に生まれ、嘉永5年(1852)に円山派の中島来章に学んだ後、明治4年(1871)からは、来章の許しを得て四条派の塩川文麟に学びました。
楳嶺の作品は、師の来章や文麟より継承した伝統的な円山四条派の画風とともに、謹直な性格を反映した写生へのこだわりを感じさせます。その写生重視の制作姿勢は、師から弟子へとさらに継承されることになりました。教育者としても大きな役割を果たした楳嶺には、菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳、都路華香という「楳嶺四天王」と呼ばれる高弟がいましたが、いずれも京都画壇を牽引した、近代日本絵画史において重要な画家たちです。
 本展覧会では、楳嶺の師文麟をはじめ、楳嶺四天王や楳嶺周辺の画家の作品をあわせて、楳嶺作品を中心とした約80点の作品から、楳嶺が師から弟子へと伝えた四条派の技法や精神性に迫ります。

2018年12月21日(金)-  2019年2月3日(日)
月曜日休館/祝日の場合は開館、翌火曜日休館
9:30 - 17:00/入館は16:30まで

笠岡市立竹喬美術館 / Chikkyo Art Museum
岡山県笠岡市六番町 1-17

https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/