脇田和 展 - 没後10年「画家の旅路」

10代でドイツに渡った脇田和。1920年代、芸術の息吹が満ちていた華やかなるベルリン。 その地に赴き、輝かしい時代の流れの中で、若き画家は感性を育み、絵の道を志します。 その後の帰国、激動の時代を超えて、戦後の開かれていく時代には、画家は様々な国々を訪れます。 旅の記憶はまた、芸術家の人生において、多くのインスピレーションを与えたことでしょう。
脇田和の絵はどこか「音が聞こえてくる。旋律を奏でる協奏曲のようだ」と表現されます。 時折遊びに来る鳥たちや、時に鳥と語らう女性、くったくのない子供たちの顔、ある日みつけた小石、 足元に落ちてきた葉や、静かに佇む物たち、耳に心地よいリズムを打つ雨音や風。 個々が奏でる波長は、絵の中で音となり調和し、脇田和の絵に欠かすことのないマチュエールとしてそこに存在しています。時を刻む日々の、その日常の中で、触れるもの、みつめるものへの画家の思索が、筆を置くその日まで、旅の如く続きます。
この展覧会では、初期のデッサン、木版画をはじめ、版画、コラージュ、ドローイング、油絵まで約100作品を展示。97歳で永眠するまでの画家の軌跡と創作の原点をみつめていきます。

2015年7月4日(土)-  10月27日(火)
10:00 - 17:00(7/15 - 9/15は18:00まで)

脇田美術館 / WAKITA MUSEUM OF ART
長野県軽井沢町旧道1570-4
tel 0267-42-2639
http://www.wakita-museum.com/event/exhibit/wakitakaz2015/index.html




Post by N.Haijima