植田正治のリフレイン / Shoji Ueda: the Refrains in his Images

 今回の展覧会タイトル、「リフレイン」は、繰り返しを意味する英語(フランス語では「ルフラン」)で、詩や歌で各節の終わりに印象的に繰り返される言葉やメロディを意味します。植田正治が遺した多くのイメージを概観する時、時代を越えて繰り返される被写体、撮影地、小物、テーマ、技法など様々な「リフレイン」に気がつきます。

例えば、子どもたち。シリーズ〈童暦〉に代表される子どもたちの愛らしく、そしてはかなげな姿は、戦前から描かれ、そして〈童暦〉以降も、シリーズ〈小さい伝記〉、シリーズ〈白い風〉など、多くの作品の中に見られます。そして、それらが全く異なる手法で、あるいは年代が異なっても、同じ「まなざし」で撮影されたことに気がつくでしょう。同じ被写体を様々にとらえた植田の作品を見る時、長年にわたり山陰をホームグラウンドとして、何気ない被写体やテーマにこだわり撮影し続けた理由が見えてくるように感じます。

今回の展覧会では、いくつかのキーワードを設定し、時代の異なる作品をそのキーワードごとにまとめてご覧いただくことによって、植田が生涯にわたりいかに試行錯誤を重ね、写真表現の可能性を追求しつづけたかをご理解いただけるでしょう。また、「リフレイン」を意識して植田の写真全体を見直す時、きっと新しい発見があることでしょう。


2017年9月9日(土)- 11月30日(木)
火曜日休館/祝祭日の場合は開館、翌日休館
9:00 - 17:00


植田正治写真美術館 / Shoji Ueda Museum of Photography
鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3

http://www.japro.com/ueda/index.html