須田国太郎と水墨画

 近代日本の洋画壇で活躍した須田国太郎(1891 - 1961)は、油彩画だけでなく日本画や水墨画にも取り組みました。このたびの展示では須田国太郎の油彩画と共に水墨画を展示します。
 須田国太郎が日本画を描き始めたのは昭和10年代からだといわれています。昭和22年2月に小林和作と二人で、同年7月には単独で、翌年5月には日本画家の池田遙邨、小野竹喬と三人で日本画展を開催するなど集中して日本画の展覧会を開いています。
東西の絵画表現の違いについて深く思索した須田国太郎は、油彩画と同じように水墨画を描くことで東洋の絵画表現の特質をつかもうとしました。そしてその影響は油絵にも及び、日本画制作で掴んだ東洋的な余白、暗示的、象徴的な背景、固有色にとらわれない色彩や形といったことが油絵にも見られるようになりました。
 また併設して、南薫造、岸田劉生、靉光ら洋画家、竹内栖鳳、村上華岳、小林古径、安田靫彦ら日本画家が墨を使って描いた作品を紹介します。見比べてお楽しみいただければ幸いです。


2017年6月14日(水)-  8月7日(月)
火曜日休館
9:00 - 17:00/入館は16:30まで



三之瀬御本陣芸術文化館
広島県呉市下蒲刈町三之瀬311
tel 0823-70-8088
http://www.shimokamagari.jp/facility/gohonjin.html


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併設|墨による表現:
岸田劉生、靉光、中川一政、南薫造、加山又造、松尾敏男、竹内栖鳳、村上華岳、小林古径、安田靫彦、奥村土牛、丸木位里